しじみを食べて健康になろう

しじみの砂抜き方法

しじみの砂抜き方法

しじみは身体によいとして知られている食材の一つですが、砂を含んだままでは食べる気にはなりませんね。
しじみをおいしく食べるためには、調理の前にしっかりと砂抜きをする必要があります。
正しく砂抜きをおこなうことで、しじみに含まれるうま味成分を損なうことなく、よりおいしくすることもできるのです。
この記事では、しじみの砂抜き方法やポイントなどについてご紹介します。

しじみの砂抜きに用意するもの

まず、しじみの砂抜きに必要なものを用意しましょう。

  • ボウル
  • ザル
  • 塩(精製されていないもの。天然塩が望ましい)
  • 水(ミネラルウォーターがよい)

ザルはボウルの中に入る大きさで、口が広くて浅いものが理想的とされています。
なお、ボウルとザルは、天ぷらの調理に使う網付きバットで代用しても構いません。

しじみの砂抜きの手順

次に砂抜きの手順をご紹介します。

  1. 水1リットルに対し10gの塩を加え、塩分濃度1%の塩水を作ります。
  2. ザルまたはバットの網に、しじみを重ならないようにして並べます。
    しじみ同士を重ねてザルに入れてしまうと、上のしじみが吐きだした砂を下のしじみが吸い込んでしまうため、なるべく重ならないようにしましょう。
  3. しじみが半分浸る程度の塩水を、ボウルまたはバットに入れます。
    この際、ザルはボウルの底から離れた状態にしておくと、しじみの排出物が下に落ちるため、汚れた水をしじみが吸い込むことを防げます。
  4. できれば暗い場所に、夏は3~4時間程度、冬なら4~5時間ほど置きます。
    長時間かけて砂抜きしないほうがおいしく食べられるため、時間はきちんと守るのをおすすめします。
  5. 塩水から取り出し、濡れ布巾などで覆って湿気を与えながら3~6時間ほど吊り下げるなどして水が溜まらない状態にして空中で放置します。
    この処理をすることで、しじみのうま味成分であるコハク酸が増加し、よりおいしく召し上がれます。

しじみの砂抜き方法のポイント

しじみを砂抜きする際のポイントを2つご紹介します。
1つは、砂抜きには必ず塩水を使い、真水やお湯の使用を避けることです。
料理のテキストなどには、真水を使って砂抜きする方法が書かれているため、水道水を流しながらおこなう人が多いといいます。
この方法では、浸透圧によりしじみのうま味成分であるコハク酸やアラニン、グルタミン酸などが水に溶け出し、栄養価が損なわれてしまうのです。
水道水による砂抜きの実験によると、うま味成分が1時間後には25%、2時間後には43%も減少することが明らかにされています。
しじみは海水と淡水の混ざった汽水域に生息しているため、その環境の塩分濃度より少し高めの1%程度の塩水に浸けて砂抜きをおこないましょう。
すると、しじみ自身の浸透圧と塩水の浸透圧を等しくするために、体内のグリコーゲンなどを分解しアラニンやコハク酸などを作り出すため、うま味成分が増すわけです。

もう1つは、長時間の砂抜きや砂抜きしたしじみの放置は避け、調理するまでにも長く時間を空けないことです。
砂抜きしたしじみは弱ってしまうため、調理する4~5時間前におこなうのが最適とされています。
すぐ調理しない場合には、乾燥しないようにラップをしたりビニール袋に入れたりして、冷蔵や冷凍保存しましょう。

砂抜きするしじみの選び方

しじみを選ぶ際には、新鮮で活きのよいものを見分けるのが重要なので、殻の表面にツヤがあり、傷のついていないものを選びましょう。
また、原産地を確かめることを習慣化し、明確に表示されているしじみを選ぶのをおすすめします。

砂抜き後の保存方法について

前述のように、砂抜き後すぐに調理しない際には、冷蔵や冷凍保存するのがおすすめです。
砂抜きしたしじみを、一度に使う分ずつ小分けにして乾燥しないようにビニール袋に入れ、密封して冷蔵庫または冷凍庫で保存します。
冷蔵保存の場合、おいしく食べられるのは夏なら3日、冬なら7日程度とされています。
冷凍では3ヶ月ほど保存が利き、おいしく食べられる期間とされているほか、冷凍保存するとうま味成分が増加するともいわれています。
また、しじみの有用成分であるオルチニンの含有量も増えることが判っているため、必要に応じて冷凍保存するのもよいでしょう。