しじみを食べて健康になろう

しじみで新陳代謝を促進

しじみで新陳代謝を促進

しじみに期待できる効果といえば、肝臓の代謝や解毒機能の回復・向上というイメージが強いのではないでしょうか。
そのほか、肝機能を助けることで全身の疲れを回復させたり、精神的なストレスを軽減させたりする効果などが期待できますが、しじみは新陳代謝を促すためにも有効なのです。
新陳代謝はホルモンの指令によっておこなわれていますが、しじみはそのホルモン分泌を促す成分を含んでいるために、新陳代謝を促す効果が期待できるわけです。
この記事では、なぜしじみで新陳代謝を促進できるのか、しじみの栄養成分の働きと絡めてご紹介します。

しじみに新陳代謝の促進が期待できる理由とは

しじみには、体内で合成できないため食品からの摂取が必要な必須アミノ酸9種と、体内でも合成できる11種の必須アミノ酸の全てがバランスよく含まれています。
しじみに新陳代謝を促す効果が期待できるのは、しじみの有用成分であるオルチニンや、新陳代謝を促すアルギニンなどのアミノ酸の働きによるためなのです。
さらにこれらの成分が新陳代謝を促す理由は、人体の代謝を調整する作用のある成長ホルモンの分泌に関わっているためです。
ここでは、それぞれの成分と成長ホルモンの代謝作用についてご紹介します。

成長ホルモンとは

成長ホルモンとは、脳下垂体前葉のGH(Growth Hormone)分泌細胞から分泌され、神経細胞や身体細胞の修復・再生、新陳代謝の促進など、人体のさまざまな機能を正常に保つために働くホルモンです。
主に視床下部から分泌されるGHRH(成長ホルモン放出ホルモン)と、SRIF(成長ホルモン分泌抑制ホルモン)の2つによって調節されています。
成長ホルモンの主な働きは、成長に関わる作用と代謝を調節する作用との2つに大別され、後者がしじみに含まれる栄養成分と深く関わっているのです。
そもそも新陳代謝とは、新しい細胞を合成して古くなり不要になった細胞を排泄することです。
脳の視床下部から分泌される成長ホルモンは、脳や内臓・骨など、身体のさまざまな組織を修復したり再生したりするために作用しますが、肌も例外ではありません。
成長ホルモンは特に睡眠中に分泌量を増やす性質があり、その間に肌の新陳代謝を活発にしたり、血行を良くしたりして肌のターンオーバーを正常にするために作用するわけです。
また、成長ホルモンが再生させる組織には、毛髪や爪も含まれます。
全身の器官の中でも、生命維持に重要な役割を担っている脳や内臓は、成長ホルモンによって優先的に修復や再生がおこなわれ、毛髪や肌・爪といった組織は後回しにされる傾向があります。
逆にいえば修復・再生が後回しにされる部位は、必ずしも生命維持に必要な器官と判断されないために、成長ホルモンの分泌が低下すると悪影響が現れやすいともいえるのです。

成長ホルモン誘導体として作用するオルチニン

しじみに含まれる遊離アミノ酸のオルチニンと、非必須アミノ酸の一つのアルギニンには、成長ホルモンの分泌を促すという共通した作用を備えています。
オルチニンは、アンモニアを分解して無毒化し、尿素として排出する肝臓内のオルチニン回路の機能を活性化する働きのほか、成長ホルモン分泌を促す誘導体としての役割もあります。
成長期の子どもに不可欠なホルモンというイメージが強い成長ホルモンは、成人以降でも人体に必要であり、年代によって分泌量や作用が異なる性質があります。
成長ホルモンの分泌量は加齢に伴い徐々に減少していき、成人以降は、身体を成長させる作用から全身を管理し機能を維持する働きに移行します。
青年期の成長ホルモンは、筋肉や臓器、骨や肌・毛髪など、身体の各組織や細胞を修復・再生したりして、その新陳代謝の促進に作用しているわけです。
オルチニンは成長ホルモン誘導体としても働くため、しじみの摂取は新陳代謝を促すにも有効といえるのです。

新陳代謝を促すアルギニン

しじみに含まれるアルギニンとは、マメ科の植物の芽から発見された非必須アミノ酸の一つで、成長ホルモンの分泌を促す作用があります。
成長ホルモンの働きのうちには、身体の組織を修復や維持をおこなう際、体脂肪を分解して血中に放出し、エネルギー源として活用する作用も挙げられます。
脂肪の代謝を促す働きによって筋肉組織を強化したり、身体を引きしめたりする効果が期待できるのです。
アルギニンは体内で合成できるものの、その生成力が不十分なために、不足分を食品から摂取する必要があり、特に子どもは体内での合成力が少なく積極的な摂取が推奨されています。
アルギニンを多く含む食材には、しじみのほかに鶏肉や大豆製品、エビやナッツ類などが挙げられ、効率のよい摂取にはビタミンB6やクエン酸などの成分を含む食品を同時に摂ることとされています。
特にしじみには、アルギニンやオルチニン以外にも、成長ホルモンの分泌を促す作用のあるアミノ酸がバランスよく含まれているため、新陳代謝の促進の効果が期待できるのです。