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オルニチンが肝臓に与える効果

オルニチンが肝臓に与える効果

肝臓は人体の臓器の中でもっとも大きく、機能が正常であれば全体の8割を切り取られても修復しながら働きつづけ、元の大きさに再生する力を持っています。
栄養素の代謝や胆汁の生成・分泌、解毒・排泄など、さまざまな機能を営む肝臓は、人体にとって非常に重要な役割を担っているのです。
再生能力が非常に高いものの、肝臓には痛みなどを感じる神経がないため、ダメージを受けても自覚症状を示さないのが特徴といえます。
肝機能が低下してもすぐにはっきりした症状が現れないため、肝臓は「沈黙の臓器」と例えられているわけです。
この記事では、肝機能をサポートする働きのあるオルチニンが肝臓に与える効果についてご紹介します。

肝臓の主な働きとは


オルチニンは肝臓の働きを助ける作用をもつアミノ酸の一つですが、そもそも肝臓は人体でどのような働きをしている臓器なのでしょうか。
ここでは肝臓の主な働きである「代謝」「解毒」「胆汁の生成」について、それぞれご紹介します。

栄養素の代謝機能

外部から摂り込んだ栄養素を分解・吸収し、人体の生命維持に必要なエネルギーを生産して消費する流れのことを「代謝」といいます。
肝臓でおこなわれる代謝とは、胃や腸で分解された栄養素を体内の各器官が必要に応じた形に作り変えたり、エネルギーとして生み出したりする作用を指します。
代謝によって身体が利用しやすい形に分解・合成された物質は血中に送り出され、全身の各器官や臓器に供給されます。
食事から吸収された栄養分はそのままの状態では利用できないため、消化器官で分解されたあとに肝臓内で代謝することで、きちんと活用できるようになるわけです。

有害物質の解毒機能

肝臓には、身体に有害な物質を分解して毒性の少ない水溶性物質に変える「解毒」の機能があります。
アルコールや栄養素を代謝する過程で体内に発生するアンモニア、化学薬品なども人体にとって有害物質となります。
肝臓は解毒機能によってこれらを無害なものへと処理し、尿中や胆汁中に排泄する働きを担っているのです。

胆汁の生成・分泌機能

肝臓は、コレステロールと胆汁酸から胆汁を作り出す機能があります。
胆汁の数ある働きの中には、脂質の消化・吸収を助ける作用や、肝臓で処理された不要物を体外へ排泄する作用などが挙げられます。
また、胆汁はコレステロールを原料として合成されるため、肝臓が胆汁を生成することで血中のコレステロール濃度のバランスを取るという役割も担っています。
コレステロールも最終的には胆汁を介して体外へと排出されるわけです。

オルチニンの肝臓に対する働きとは

前述のように、肝臓はさまざまな働きを持つ非常に重要な臓器ですが、際限なく働き続けられるわけではありません。
食べ過ぎや飲み過ぎ、睡眠不足や過剰なストレス、過度の運動といった生活習慣により、肝臓の処理能力の低下を招くと考えられています。
肝臓の使い過ぎなどによってその機能が低下すると、代謝や解毒といった役割を十分に果たすことができません。
オルチニンが肝臓に対してどのように作用するのかをご紹介します。

オルチニンは肝機能を助ける

オルチニンは、肝臓の代謝機能の一つである「オルチニン回路」を活性化するという重要な働きを持っています。
オルチニン回路とは、人体にとって有害なアンモニアを分解する肝臓内の代謝経路の一つです。
オルチニンはアンモニアに対する肝臓の解毒機能を助けることにより、ミトコンドリアの働きを助けて肝臓の負担を軽減し、肝臓全体の本来の機能を維持すると考えられています。

アルコール性疲労を予防する

アルコールを摂取すると、肝臓内には「NADH(ニコチンアミノアデニシンヌクレオチド)」という物質が増加します。
NADHとは、アセトアルデヒドという物質と、体内に残っているアルコールが代謝される過程で作られる物質です。
アルコールの摂取によりNADHの血中濃度が高まると、ミトコンドリアの機能が衰え、脳に供給されるはずのブドウ糖やケトン体の生成を妨げることになります。
その結果、脳のエネルギー不足を招く原因になると考えられているのです。
オルチニンには、オルチニン回路でアンモニアが解毒される際にNADHの消費を促す働きがあり、飲酒後の疲労を抑える効果が示されています。
オルチニンの働きによってアンモニア解毒がスムーズに進み、その過程でNADHが消費されるため、ブドウ糖などの脳のエネルギーも効率よく作られることになるわけです。

身体のエネルギー生産を助ける

オルチニンは、オルチニン回路とは別に、体内のエネルギー生産に関わる「クエン酸サイクル」にも作用する物質です。
体内にアンモニアが増加すると、ミトコンドリア内に存在するクエン酸サイクルが阻害されることが明らかになっています。
アンモニアがミトコンドリア内の酸化と還元のバランスを崩すことで、エネルギーを生み出すための環境を悪化させるのです。
オルチニンはアンモニアの分解を促すことで、体内のエネルギー生産を助けてもいるわけです。