しじみを食べて健康になろう

しじみとあさりの違い

しじみとあさりの違い

しじみやあさりは日本人の食卓に古くからなじみのある食材の一つですが、両者の違いがよくわからない、という人も少なくないようです。
それぞれの見た目や大きさをはじめ、生息地や旬の時季、含まれている栄養素など、どのような違いがあるのでしょうか。
この記事では、しじみとあさりの違いについてご紹介します。

しじみとは

しじみとは、「二枚貝網 胃歯亜網 シジミ科」に分類される、ヤマトシジミやマシジミ・セタシジミなどの二枚貝の総称です。
二枚貝の中では小ぶりのため、「縮み」が転じてしじみと名づけられたとする説があります。
大きさは2~3センチほどで、模様のほとんどない黒や茶色をしており、丸みのある形の貝です。
しじみというと真っ黒という印象が強いですが、マシジミのように比較的明るい色をしたものもあります。
泥の底に生息しているしじみは黒く、砂底にいるしじみは明るい色をしているのが一般的で、泥に含まれる成分によって色に違いが表れるといわれています。
表面に細かな筋があるものの、ざらついた感触はあまりないのが特徴といえます。
しじみの生息地は淡水、もしくは淡水と海水の混じる汽水域で、塩水の濃度は0.3~1%と低い環境で生息しています。

しじみに含まれる栄養素とは

しじみに含まれる栄養素には、

  • オルチニン
  • タウリン
  • ビタミンB12
  • 鉄分
  • 亜鉛
  • カルシウム

といった成分が挙げられます。
中でもオルチニンはしじみの代表的な有用成分とされ、肝臓の働きを助けて疲労回復を後押しする効果が期待できます。
しじみは古くから肝臓によい食材として知られており、その効能は豊富に含まれているオルチニンの働きによるものなのです。

あさりとは

あさりとは、生物学名では「二枚貝網 異歯亜網 マルスダレガイ上科 マルスダレガイ科 アサリ亜科」に分類される貝の一つです。
表面に細かな筋がありざらざらした触感で、さまざまな模様や色を持つのが特徴といえます。
模様には縦や横の縞、幾何学模様や無地などがあり、色には黒や白、茶色や青白などと多様で、同じ模様の固体はいないといわれているほどです。
あさりの大きさは最大で6センチほどといわれ、市販されているものでは3~4センチ程度の大きさが多くなっています。
あさりは汽水域に近い、浅くて塩分濃度の薄い海の底や砂の中に生息していて、粘土の含有量の多い干潟を好む傾向が見られます。
日本だけでなく、台湾やフィリピンなどの沿岸各地に生息するほか、ヨーロッパやアメリカ西海岸などにも移植されています。
国内での主な産地は、漁獲量の全体の7割近くを占める愛知県が1位で、次いで静岡県、三重県と続いています。

あさりに含まれる栄養素とは

あさりに含まれる栄養素には、

  • タウリン
  • 亜鉛
  • 鉄分
  • ビタミンB12
  • タンパク質
  • ミネラル

などが挙げられます。
あさりは貧血の予防や改善に有効とされていて、その効能は血中の赤血球を作り出す働きをするビタミンB12や鉄分が豊富に含まれているためです。
また、うま味成分としても知られているタウリンは、肝機能を高めて代謝や解毒などの働きを助けたり、アルコール代謝を促したりする作用があります。

しじみとあさりの違いとは

しじみとあさりの見た目での違いは、

  • しじみ→小さくて黒か茶色をしている
  • あさり→表面がざらざらでさまざまな模様がある

といった特徴で簡単に見分けられます。
それぞれの旬の時季にも違いがあり、

  • しじみ→3月~5月
  • あさり→3月~4月、9月~10月

が一般的とされています。
しじみの産卵は初夏から夏にかけておこなわれるため、産卵に備えて身に栄養を蓄える春がもっともおいしくなる旬といわれています。
しかし、しじみの旬の時季には諸説あり、「土用蜆は腹薬」という言葉があるように6~7月の夏を旬とする場合と、「寒しじみ」といって12~2月の冬は身が締まるために旬とする場合などがあります。
一方のあさりは、各地で潮干狩りのシーズンが訪れる3月半ば~4月が旬とされています。
また、あさりは海水の温度が20℃前後になる春と秋に産卵するため、それを控えた春先と秋口にもっとも身が肥えて旬を迎えます。

しじみとあさりの栄養素の違いとは

しじみとあさりには、含有量に違いがあるものの、以下の栄養素が共通して含まれています。

  • タンパク質
  • ビタミンB12
  • タウリン
  • ミネラル
  • いずれも双方に含まれており、中でも含硫アミノ酸の一つのタウリンは肝臓によい成分といわれています。
    タウリンの含有量は、しじみでは32mg/100g、あさりでは210~420mg/100gとなっていますが、しじみに含まれるオルチニンが、あさりにはほとんど含まれていないという違いがあります。
    しじみに含まれるオルチニンは、10.7~15.3mg/100gとされ、肝臓の代謝機能を助けて疲労の回復効果が期待できます。
    そのためあさりと比較すると、しじみのほうが栄養価の高い食材とされているわけです。