しじみを食べて健康になろう

しじみに期待されるデトックス効果

しじみに期待されるデトックス効果

現代に生きる人の体内には、加工食品に含まれる添加物や環境ホルモン、重金属といった有害物質が日々取り込まれています。
現代人は、体内に不要な有害物質が溜まりやすい環境に取り巻かれているといってよく、その影響から100%逃れることは不可能といえます。
人体に毒となる有害物質や老廃物が蓄積されると、新陳代謝が衰えて細胞の機能に悪影響が及び、臓器の機能にまで障害が生じる場合もあります。
身体に悪影響を及ぼす有害物質や、体内に蓄積された老廃物を体外に排泄物として排出させることを「デトックス」といいますが、しじみにもその高い効果が期待できるのです。
しじみには肝臓の解毒機能を後押ししたり、肝機能を高めたりする成分が含まれているため、しじみの摂取はデトックスに有効といえます。
この記事では、しじみに期待されるデトックス効果についてご紹介します。

しじみに含まれる成分による具体的なデトックス効果とは

しじみには、肝臓内でのアンモニア分解を促すために作用するオルチニンや、アルコールや化学物質の無毒化を促すタウリンといった成分が含まれています。
そのため、しじみを摂取することで体内の毒素の排出を促す効果が見込めるわけです。
ここでは、しじみが含む成分によって期待できるデトックス作用についてご紹介します。

オルチニンによるデトックス効果

しじみの有用成分であるオルチニンは、肝臓内のオルチニン回路を活性化し、人体に有害なアンモニアの解毒を促す役割を担っています。
オルチニンは人体内にも存在する成分ですが、オルチニンを豊富に含むしじみの摂取によって補われるため、オルチニン回路活性の作用をさらに高めることになるのです。
過剰に発生すると脳障害に発展する恐れのあるアンモニアを、無毒な尿素に変換して尿として排出するために貢献しているわけです。
さらに、オルチニンは肝臓が機能するために必要なエネルギー生産をおこなうミトコンドリアの働きをサポートしています。
ミトコンドリアが活性されると肝機能全体を高めることにつながるため、肝臓の疲労回復や解毒機能が強化されます。
肝機能が強化されると疲労物質の排出が促され、脳や身体のスムーズな疲労回復に直結するため、疲れにくくなるといった効果も期待できるのです。
また、オルチニンには成長ホルモン分泌の誘導体としての働きもあり、成長ホルモンの持つ代謝を調整する作用を促す効果が期待できます。
さまざまな身体組織の修復や再生をおこなう成長ホルモンの働きの中には、新陳代謝を活性化させたり、血行を促して老廃物を排出させやすくしたりする作用があります。
オルチニンが成長ホルモンの分泌を促すことで、身体の各組織の代謝が活発になり、体内の毒素を排出する効果も高まることになるわけです。

タウリンによるデトックス効果

しじみに含まれるタウリンは人体内でも合成できるアミノ酸の一つで、アンモニアやアルコールの分解と排出に役立つ成分です。
体内では主に心筋や筋肉中に存在し、胆汁の主要成分である胆汁酸と結合して、消化作用を助けています。
タウリンの肝臓に関する働きには、肝臓内での胆汁酸の分泌を促したり、肝細胞を再生したりすることが挙げられます。
肝臓機能の一つである胆汁の生成は、体脂肪の分解や、脂溶性ビタミンの消化と吸収を助けるための重要な機能です。
胆汁酸は体内のLDL(悪玉コレステロール)の排出に作用し、コレステロール胆石の防止などに効果を発揮するため、動脈硬化の予防にも貢献しています。
また、胆汁酸は小腸のぜん動運動の活性にも作用するため、老廃物や毒素の排出がスムーズになり、腸内環境の改善にもつながるのです。
タウリンは、体内で発生したアンモニアを分解・無毒化したり、体内に摂りこまれたアルコールや化学薬品などを分解したりして、排泄物として排出する解毒作用も備えています。
アルコールは胃で20%・腸で80%吸収され、血中に放出されて肝臓に送られた後、100%肝臓で分解され、無毒な酢酸へと変換されて尿として排出されます。
しかし、二日酔いの原因物質であるアセトアルデヒドは、アルコールそのものより10倍以上も毒性が強いといわれる物質のため、代謝の過程で肝臓への大きな負担がかかります。
アセトアルデヒドはALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって酢酸へと分解されて排出されますが、タウリンはこの過程でALDHの働きを助けているのです。
タウリンがALDHの作用を活性化することで肝臓の負担が軽減され、アルコール代謝がスムーズにおこなわれるようになるわけです。
さらにタウリンは、アルコールが脂肪として肝臓に蓄積されるのを予防するためにも作用します。
タウリンの摂取によって胆汁の生成に必要なコレステロールの消費量が増えるため、肝臓への脂肪の蓄積を防ぎ、正常な解毒機能の維持を支えているのです。