しじみを食べて健康になろう

しじみに含まれるカルシウム

しじみに含まれるカルシウム

人体の骨や歯を構成し、丈夫に保つ働きのあるカルシウムは、しじみにも多く含まれているのをご存じでしょうか。
人体の健康維持に重要な機能を果たすカルシウムは、年代を問わず不足しがちな栄養素のため、普段から積極的に摂りたい栄養素の一つです。
貝類の中でも最上位に入る、しじみのカルシウム含有量を無駄なく活かすには、吸収率を高める食材と組み合わせて摂るのがおすすめです。
この記事では、しじみに含まれるカルシウムについてご紹介します。

カルシウムとその働きとは

カルシウムは、人体では骨や歯を作ったり丈夫に保ったりするために欠かせないミネラルです。
体重の1~2%を占めるカルシウムは、その99%が骨や歯に蓄えられ、その構造や硬さを維持するために作用します。
骨は全身を支えたり、脳や脊髄・心臓といった生命維持に重要な器官を保護したりする働きがあるほか、カルシウムを貯蔵する重要な役割を担っています。
カルシウムの摂取量が不十分になり、体内で不足した状態になると、骨を溶かして必要な量のカルシウムを確保するわけです。
また、残りの1%は血液や筋肉などに存在し、筋肉の収縮活動や神経伝達の正常な機能、全身の血液循環やホルモン分泌などに深く関わっています。
このように、カルシウムは人体のほぼ全ての機能に関わる重要なミネラルなのです。

カルシウムの必要摂取量とは

カルシウムは人体の機能に欠かせない重要な成分にもかかわらず、日本人がもっとも摂取不足に陥っているミネラルに当たり、厚労省による摂取基準に満たないのが現状です。
カルシウムの推奨摂取量は年代によって異なり、

  • 15歳以上の男性…600~800mg/日
  • 15歳以上の女性…650mg/日

と規定されていますが、実際には20歳以上の男性が497mg、女性では492mgと不足している状態にあるのです。

カルシウムの吸収について

カルシウムは食品中に存在する全てが体内で使われるわけではなく、成人での吸収率は30%程度と、吸収されにくい栄養素の一つです。
カルシウムの効率のよい吸収のためには、ビタミンDや乳糖、オリゴ糖やCPP(カゼインホスホペプチド)、適量のタンパク質といった成分との同時摂取が推奨されています。
特に脂溶性ビタミンであるビタミンDは、カルシウムの腸内での吸収を促し、骨への沈着を助ける作用があります。
紫外線を浴びることで人体内でも合成できるため、日光に当たることも勧められています。
逆に、カルシウムの吸収を低下させるのは、豆や青菜などに含まれるシュウ酸や、全粒穀物に含まれるフィチン酸といった成分が挙げられます。
また、アルコールやカフェイン含有飲料、過剰な栄養素(タンパク質、リン、カリウム、ナトリウム)の摂取はカルシウムの排泄量を増加させることがわかっています。

カルシウムの過不足の影響とは

カルシウムは摂取量が少なくなると骨から溶け出し、血中のカルシウム濃度が保たれる性質があります。
そのためカルシウムの摂取量が不十分でも、短期的には目立った症状は現れませんが、長期的にカルシウム不足が続くと、骨量が低下したり骨粗しょう症や骨折のリスクが高まったりします。
また、重度のカルシウム欠乏に陥ると、手指のしびれやけいれん、心拍リズムの異常などの症状が現れる場合もあります。
一方、カルシウムの過剰摂取は便秘を招いたり、鉄や亜鉛の吸収率を低下させたりする以外に、腎臓結石を招く場合があります。
腎臓結石では多くの場合、シュウ酸カルシウムが大量に含まれており、サプリメントからカルシウムを過剰摂取すると、特に高齢者での発現リスクが高まることが分かっています。
カルシウム摂取の安全な上限値は、18歳以上の男女ともに2500mg/日と規定されていますが、上限を超えるカルシウムは食品からではなく、カルシウムサプリメントの摂取によります。
そのため、カルシウムを食品から摂取する分には、過剰症が現れることはほとんどありません。

しじみに含まれるカルシウムの効率的な摂取方法

しじみのカルシウム含有量は130mg/100gとなっており、ハマグリと並んで貝類の中ではトップクラスの多さを誇ります。
とはいえ、前述のようにカルシウムは体内での吸収率が低いミネラルのため、しじみ単体で摂取するのはカルシウムの吸収が不十分といえます。
しじみに含まれるカルシウムは、酸味成分であるクエン酸と合わせることでも効率のよい吸収が見込めるのです。
中でも、クエン酸をはじめとする有機酸を複数含む梅干しは、カルシウムの吸収を促すキレート効果を備えているため、しじみと組み合わせた調理で摂取するのがおすすめです。
市販されている梅干しは、塩分が控えめで、はちみつや調味料が添加された調味梅干しが主流となっています。
梅干しはもともと塩のみか、塩とシソを使って漬けられたもので、塩分濃度は18%以上あり、常温で何年も保存できるものです。
当然塩辛く、酸味も強いものとなりますが、その分クエン酸も豊富に含まれているわけです。
しじみに含まれる豊富なカルシウムを無駄なく活かすため、梅干し選びにもこだわってみてはいかがでしょうか。